夏の小袖

読んだ本、活動の記録など

サカナクション山口さんのNHKスペシャルをみた

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私はサカナクション知名度を上げたころ、学生だった。へえ、そういうバンドがあるのか、と思っていた。

それからしばらくして、サカナクションが活動を休止したことを知った。山口さんがうつ病になったことを知ったのは、そのずっと後。ファンの方が知った、そのずっと後だったろう。


この番組を見て思ったのは、うつ病に対する正しい認識が広がればいいな、ということと、山口さんが矢面に立つ必要はない、ということだった。なにも、代表として知識を広めるために、人々の注目を浴びる必要はない、と思った。

たぶん、なにかをしていたい人なのだろう、というのが私の直観だった。あるいは、東京という街がそうさせたのかもしれない。

うつ病がひどいときは、なにもしなくてもいい。サカナクションの事務所の社長が休むよう令を下したという話も別のところで聞いたけど、そういうこともある。なにかしていないといけない、というのは、なにも出来なかったときに、反動になる。
メサイアコンプレックスみたいなことを感じていなければいい。山口さんやサカナクションに救われた人なら、もうすでに星の数ほどいるだろう。

しかし、番組の最後の「明けない夜はないのだから」という、ナレーションの言葉。これに対して、サカナクション的ではないと言っている人がいた。私はそれはよく分からないが、夜に生きることも出来る、とは思っている。夜の中でしかできない出会いや経験もある。私はそうだった。
しかし実際、あの「明けない夜はないのだから」という言葉は、山口さんへ、というより、番組を見ている人――とくに同じ病気の人――に対して向けられた言葉だろうとも思う。